テイクアウト店の内装工事について

テイクアウト店は、その名前のとおり、テイクアウト専門のお店のことです。イートインスペースを備えているお店もありますが、この記事では基本的にテイクアウトオンリーのお店ということで話を進めていきます。テイクアウト店は、大きなお店ではないので、お客様にアピールするためには内装で勝負する必要があります。テイクアウト店を魅力的に見せるためにはどうしたらよいのでしょうか?

テイクアウト店の内装工事の坪単価

テイクアウト店の内装工事・設備工事にかかる費用は、坪単価にして20~30万円ほどです。テイクアウト店は、それほど大々的に内装工事をしなくても済むことが多いため、スペースが広くなればなるほど、坪単価は下がります。この金額はスケルトン物件のもので、居抜き物件の場合はまた値段が異なります。

内装工事の費用を抑制するには

内装工事の費用を抑制するには、この居抜き物件の利用を考えましょう。居抜き物件なら、内装は前のテナントが使用していた状態のままなので、イメージが近いようであれば、あまり大きく手直しをせず、そのまま使えます。また、設備も引き継げるものは引き継げるので、条件さえ合えば坪単価10万円前後でテイクアウト店を始めることも可能です。セーブできたお金は、開店後の運転資金に回せます。

スケルトン物件にはスケルトンの魅力あり

居抜き物件を利用することにより、内装工事の費用を抑制できる場合があります。しかし、イメージとは異なる内装の居抜き物件を利用すると、抑制できるどころか、スケルトン物件を利用したときと大差ない場合もあるでしょう。

もちろん、スケルトン物件の場合は、ご自身のイメージどおりの内装にデザインすることが可能です。居抜き物件とは異なり、立地的にも有利なことが多いので、ある程度余裕をもって開業資金を用意できるのであれば、スケルトン物件のほうが魅力的な物件を選びやすいでしょう。

テイクアウト店で販売する商品

近年、テイクアウト店の数は増えています。しかし、どんなものをテイクアウトで販売すれば、成功につなげられるのでしょうか?もちろん、それを販売したから確実に成功するという確証のある商品など存在しません。それにしても、販売する商品を決めないことには、設備も何もそろえられません。

テイクアウトといえばすぐに思い浮かべられるのは弁当の販売店でしょう。パンやお惣菜、お菓子のテイクアウトもよいでしょう。つまり、販売する商品を決め、コンセプトをまとめ、その後、物件を探し、内装工事へと進みます。

弁当の販売店の場合は、特にショーケースは必要ないかもしれませんが、戦略としては導入したいところです。しかし、ケーキやお菓子を扱うとなると話は異なります。これらの場合は、商品の美しさ自体が魅力なので、より良く見せるためにはショーケースが必要です。

テイクアウト店の有利な点とは

テイクアウト店は、限られたスペースの中で、テイクアウトの商品だけを販売するため、もっとも有利な点は人件費が最低限で済むことです。実際、テイクアウト店は、夫婦で開業する方々が多いようです。働くのは基本的に自分たちだけなので、ほかに人件費はかかりません。そのため、浮いたお金は食材に回してもよいですし、インテリアに力を入れてもよいでしょう。テイクアウト店の場合は、お客様の注意をいかに引き、入店していただくかが重要なポイントとなります。

入店したくなるテイクアウト店の内装のこだわりどころ

テイクアウト店では、お客様の注意を引くための「印象的な何か」が求められます。その代表格が「ショーケース」でしょう。

ショーケースを導入しない場合ももちろんありますが、特にケーキやお菓子を販売する場合は、外からも見えるようにショーケースは入口の正面に必ず設置します。すなわち、外から見ても印象的なショーケースでなければならないのです。

お客様が中に入ってみて、ショーケースの魅力のほかに内装が「こんなにかわいい!」となれば、InstagramなどのSNSにお客様が写真をアップしてくれるかもしれません。テイクアウト店の内装やディスプレイには、お客様に印象を残すという重要な役割があります。ショーケースで商品をうまくお客様にアピールできると、本来、お客様が買おうと思っていた商品といっしょに、ショーケースの中の商品を購入してくれる可能性が高まります。よく言われる「ついで」の効果です。

お客様が写真に撮りたくなるようなディスプレイができるようになると、SNS経由での集客も期待できます。こうなれば、内装工事とは離れますが、お店のSNSアカウントを用意して、ウェブから実店舗への集客にもつなげられるでしょう。

什器や雑貨などでもさりげなくアピール

ショーケースをとおして、商品自体の魅力をアピールするとともに、商品陳列用の什器やテーブルにも、店舗のコンセプトを表現できるようなものを導入すると、雰囲気を盛り上げられます。さりげなく什器の上にキュートな雑貨が置かれていると、お客様はついつい気分が盛り上がってしまうというものです。

バッグに力を入れる

マイバッグが当たり前の世の中になりましたが、テイクアウトのお店なら、そのバッグでアピールするという手もあります。ショップの内装も兼ねて、ショップのロゴの入ったおしゃれなバッグを商品とともに並べてみるのも効果的です。お客様がリピーターになり、そのバッグを持って買い物に来てくれれば、とても良い宣伝になります。

お客様との距離が近づく内装にする

テイクアウト店は、お客様の滞在時間が短いため、商品をアピールするチャンスはそうたくさんはありません。アピールのチャンスは、「外からお店が目に入ったとき」「商品を購入するとき」そして「商品を受け取るとき」ぐらいです。すなわち、これらのチャンスを有効に使えば、効率よく商品を売れるということになります。

「外からお店が目に入ったとき」に、店内の様子が入口から見えるように作ることはとても大切です。入口の窓ガラスをとおして見えるショーケースに、色とりどりのお菓子が並んでいたら、お客様は「入りたい」と思ってくれるはずです。

「商品を購入するとき」や「商品を受け取るとき」には、やはり近くに商品ディスプレイ用の棚などを設置すると、お客様にアピールできます。

お客様との接点をより多く、そして近くするのであれば、厨房を、店内から見えるオープンキッチンにするのも効果的です。もちろん、それで作業の質が悪くなってしまうのでは問題ですが、お客様にとって作り手の顔が見えることは魅力でもあり、安心材料でもあります。コンセプトに沿った形で可能なようであれば、オープンキッチンはとても良いアイデアです。

まとめ

テイクアウト店の内装工事や内装のアイデアについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。テイクアウト店は、販売する商品により、内装・設備工事にかかる費用は上下します。しかし、スケルトン物件を利用した場合でも坪単価は20~30万円ほどなので、それほど多くの資金を準備しなくても十分に始められるでしょう。
ただ、お客様に入店してもらうためには、商品も内装も魅力的にしなければなりません。お客様の滞在時間も短いので、アピールチャンスもあまりありません。少ないチャンスをものにして、お客様にリピーターになってもらえるよう、ご紹介したようなアイデアを参考に、自分なりの内装を作り上げてみてください。